「R.O.D」1〜3 倉田英之

今、一番楽しく見ているアニメは「R.O.D -THE TV-」。ビブリオマニアが登場する話ということにつられて見た1話目で完全に圧倒されてしまった。紙が空中を乱舞しては数々の造形をなす様は感動すら覚えるくらい。あの1話目には通常よりも長い時間をかけて制作したという話を聞いてなるほどと実感してしまった。ねねねと三姉妹のキャラも各々、魅力的だし。
で、このアニメを見てると、菫川ねねねが時々、思い出を振り返る、ある人物の存在が気になってくる。買った本で溢れるビルを神保町に持つ根っからのビブリオマニアの女性、よみこ。それに、つい先日の遺跡のエピソードではそのよみこと以前繋がりのあった人物も登場してきて、やはり以前の話も知っておかねばならないかと思えてきた。
そこで、このアニメの原作にして、アニメの以前のエピソードがつづられた本書を読んで見た。とりあえず、8巻中の3巻目まで。amazon.co.jpでの書評もすこぶる良い。となると、いやがおうでも期待は高まる、と。
ですがね、正直言って、イマイチでした…。今のアニメ版よりも、やけにノリが軽い。ねねねも、まだ女子高生時代ということを差し引いても、やたらきゃぴきゃぴしてて違和感っちゅうか、なんだか目眩してしまいそう。今のあのぶっきらぼうなねねねとの違いは何なんだ??残り5巻でその性格の変容を来たすほどの事件が起こるというのか??
それにこの作家、言葉の使い方があんまり巧くない。ときどきあれっと引っ掛かる単語が選ばれてたり。それもうまい方に働けば伊坂幸太郎みたいなかっこよさに繋がるんだろうけど、逆なんだよね。描写の密度も薄いし…。この先、読むかどうか悩んでしまいます。