ほしのこえ

金曜のこと。講談社Web現代のコンテンツとしてFRAMESというアニメーション関連のものが新しく公開されたというニュースを耳にした。

そして今日、そこをつらつらと見ていたら、「アニメーション個人製作の時代」として「URDA」制作者のインタビューが載っていた。いくらCGツールが使いやすくなったと言っても、個人でアニメーションをすべて制作するのは大変そうじゃない。「URDA」の作者もそう言ってるし。じゃ、どれくらいのクォリティなんだろうって好奇心が湧いてきた。でも、残念なことに、「URDA」の公開は終了してる(正確には最終話の公開のみ終了)。

またしても、FRAMESのサイトを見てると、2002年に新海誠という人が個人制作した「ほしのこえ」という作品が、偶然にも今日から下北沢で上映されるという。しかも、韓国語、英語バージョンもあわせて。これは見にいかざるをえないな。というわけで、行ってきました。

下北沢Tollywoodは初めてだったけど、こないだライブで近くに来ていたので、迷わずに着けた。30席あまりのかなりなミニシアター。始まる頃には15人くらいの客がいたけど、ネットか何かでの知り合いって感じの集団がほとんどを占めていた。アニメのイベントとかでいつもいっしょになってるって感じの人たち。「ほしのこえ」の韓国語版DVDとか、台湾版ポスターとか持ってたりして、かなりコアなファンのよう (^^;; まぁ、確かにわざわざ下北くんだりまできて、自主制作アニメを見るなんて、こういうファンじゃないとあんまりいないものか…

さてさて、肝心の「ほしのこえ」。よくまぁ、個人制作でここまでって感じでした。確かに、キャラデザインがちょっと…とか、声優の芝居が…とか、あったけどね。戦闘シーンはそんなにいらないんじゃない?とかもかな。それに、テーマも究極の遠距離恋愛って感じでSF物にはありがちなものではあったけど、少なくとも600円(Tollywoodのチケット代)の価値はあると思うよ。前半がやや淡々としすぎてる気がしたけど、最後、遠く離れた主人公二人の声が、時空を超えてかぶさりあうように繰り広げられる演出はすごく効いてて感動的。この最後のシーン、せりふ回しが重要なとこだから、もっと上手い声優だったら…とも思う反面、この半分棒読みかも知れないほどの淡々とした演技の方が、裏の感情を想像させていいかもとも思う。際どいところかもね。

日本語バージョンが終わって次は韓国語バージョン。ところが、さっきの集団は帰らない。どうも彼らは韓国語版も英語版も全部見るらしい。さすがだね、アニヲタ。英語版は分かる人がいるとしても、韓国語版は分かる人いないだろうな、この中には…と思いつつも、彼らのアニヲタ魂に心中、喝采を送る自分であった (^^;;

日本語バージョンを見てたこともあって、この映画での韓国語の聞き取りは8割がた出来たと思う。韓国語版はちゃんとプロの声優使ってるみたいで演技は上手いんだけど、韓国の声優ってなんか教科書的なんだよね。主人公の女の子の声もそれっぽくないし(演技はともかくキャラに合ってるって意味だと、日本語版の声優が絶対にいい)。韓国アニメをちゃんと見たことはあんまりないけど、韓国には萌え系な声優とかいないのかな…今度、韓国人に聞いてみよう。

あと、韓国語版だと、作品中、日本語が出てくる携帯の画面とか、看板とかも韓国語にレタッチされてるってことだったんだけど、少なくとも次の3つは残ってた。気づかなかったのかな。

  1. 主人公は美加子と昇だけど、韓国語版ではミナとシヌ。でも、ミナのコックピットでのディスプレイにはMIKAKOの文字が。
  2. バス停の文字が、最初のシーンではちゃんとハングルになってたのに、2度目のシーンではぼかしてあるだけ。
  3. 貨物車が通過するシーンで、日本語版はJRなのに、韓国語版もJRのまま。てっきりKNRになってるものと思ったのに。

あと、ラストシーンで映し出される文字が日本語版は「ここにいるよ」なのに、韓国語版だとなぜ「いっしょにいる」になってるのだろう…不思議だ。

あ、そうそう、言わなきゃいけないのは音楽。主題歌、なかなかいいんだよね。哀愁、郷愁漂う感じで。どこかで聞いたことあるようなないようなって気がしないでもないんだけどさ。最後のせりふのシーンに流れてて、盛り上げ役に一役も二役も買ってます。歌ってるLowって人のライブ見てみたいなって思ったけど、今のとこ、主題歌歌ってるゲームのイベントでやっただけみたいだね。ちょっと残念。