「スクラップド・プリンセス」1〜12 榊一郎

アニメが面白かったので、小説でも読んでみた。巷じゃ、話はもう終結しているという噂を聞いていたけど、今発売されている12巻まででは残念ながら完結していなかった。12巻までで、ちょうどアニメの先週分くらいまでの内容。たぶん、今月中に13巻目が出ることはないだろうから、アニメの方で先にエンディングを見ることになりそうだ。

小説版を読んでみて、アニメって結構、小説に忠実だったんだと分かる。誰がどの時点で出会って…というのが微妙に違う場合もあるけど、全体的なプロット上はさほど問題ではないようなところばかり。キャラの描写もアニメで感じてきた印象そのままだったし。

そういう意味では、アニメで見てきたプロットをもう一度、読み直す感じなんだけど、それでも小説を読んでよかったと思うのは、アニメ見てるだけじゃ分からない/見落としていた細かい設定が明らかになったこと。あぁ、そうだったんだ…とか、なるほど、そういう伏線だったか…とか。それと、魔法に関する説明が詳しいも小説ならではって感じだね。アニメがクライマックスを迎えるちょうど今、そういう細かい設定をおさらいしておくのはかえって良かったかも。もし小説の方に先に出会っていたとしても、十分に楽しんで読んだだろうなと思わせるほどの、期待は裏切らない内容だったです。

ただ、アニメとの決定的な違いが一つあって、それは先々週(9/2)だかの放送内容で、王宮でステアだったかの詰問にシャノンが答える場面のこと。小説版ではその後の戦闘シーンでソコムの問いに答える形になっているけど、問題はパシフィカがその場にいるかどうか。すごく重要なシーンだけど、この点ではアニメの方が効果的だった。パシフィカの記憶が戻る引き金となるにはやはり直接あの答えを聞かないとね。

それと、小説版の6〜8巻はすてプリの全体プロットとは関係ないエピソードだし、アニメではばっさりと捨てられた話だった。どんなわき道のエピソードも拾いたい人じゃなければ読む必要はないですね。