「空気げんこつ」 鹿島茂 26:05

勝つための論文の書き方」で知り、「セーラー服とエッフェル塔」でSMの縄の縛り方の流儀が旧陸軍・海軍の違いに起因するというチョー使えない、トリビアな薀蓄に感嘆した鹿島さんのエッセー集。

I部「エロスと舞踏会」は鹿島さんお得意(?)のH系薀蓄話で興味深く読んだ。女房が浮気に走らないようにするには舞踏会を復活させるべきだという主張にはちょっと同意しかねるけど(他人に見られて・抱かれて気持ちを新しくするという部分は理解できるが)、今や日本が世界で一番性の解放が進んだ国っていう主張にはそうかもなぁと思ってしまう。今日、t.A.T.u.を取り上げてた番組内でも、t.A.T.u.が過激だ過激だって言われてても、日本の女子高生を見てるとあれも普通に見えるってコメントがあったけど、同じようなこと、皆、感じ取ってるのかも知れない。

II部以降は新聞連載などの短いエッセーをまとめたものだけど、空気げんこつがちゃんと急所に当たってるかどうか、不安…。なんかずれてるような気がして、それほどエキサイティングな主張には思えないものが多かったのは残念。発表時点からしばらく経ってるからというわけではないと思うけどね。