AIR #4 はね plume

今回は、佳乃のおかしな振る舞いに関する謎解きがメインの話だった。御神体のはねにまつわり、死ぬ羽目になった母親の想いが、その母子と似た境遇の佳乃にシンクロしてたというわけか。そういう意味で、今回は、これまで積み重ね続けてきた謎のスタックをちょっと低くする作業が中心。いかんせん、ストーリーの説明主体になってしまって、これまでの話で感じてたような叙情性というか、文学性というか、作品世界の微妙な雰囲気を楽しめる話ではなかったのは残念。まぁ、仕方ないか。さて、次は、この落ちてきたはね(御神体)の出所から、翼ある少女へのつながりが探られる、のかな。
自分がこの作品に感じてる魅力は、浮き草のような(世界との関係を明示されない)人たちが、おそらく土地と時間の呪縛を受けて永遠の夏を生かされているような雰囲気。時の止まったノスタルジアの地に生きる人々が、自ら倦んでいることにも気づかずに、永遠の夏をまた同じように生きているという、箱庭世界の閉塞感とでも言った方がいいか。番組冒頭に「The 1000th summer」と出るけど、まさしく999回の同じ夏を生かされてきた人たちが、1000回目にして初めての擾乱を受けて意識下でさざめき立ってる様子を感じるんだよね。
でも、このような雰囲気は、ストーリーを進むにつれて壊される運命にある。今回の佳乃の件もそうだったけど、世界との関係(はねにまつわる過去の出来事とのつながり)が明らかにされることで、佳乃の「魔法」も消えてしまったように。この後、その間のバランスにうまく折り合いをつけてくれるといいんだけど。

  • で、佳乃と母親の関係と重なる古の母子の「記憶」が、御神体を介した幻視で語られる、と
  • 佳乃の手首のバンダナは姉の優しさだった…なるほどね
  • 小さい頃に神社の御神体のはねに触れて以来、佳乃の異様な振る舞いが始まる