「ロボットの魂」 バリントン・J・ベイリー

あらすじ:ロボット・ジャスペロダスが生まれたばっかりでいきなり家出して、奴隷の地位から王の位にまで成り上がって、国を捨てて、次の国でスラム街から大元帥にまで上り詰めて、裏切られて、裏切って、叛乱を扇動して国を転覆させるまでのお話。どんな人間にも負けない頭と体で成り上がっていくジャスペロダスには、ただ一つの悩みがあった。自分には意識があるのか?ロボット工学の理論的帰結としてロボットは意識を持ち得ないということを頭では理解できても、自分には意識があるという実感を否定できないジャスペロダス。ついに、自ら率いる叛乱軍が敵側から包囲をうける中、自分を創ってくれた父・老ロボット師のもとを訪れて、その真相を聴きだすのだが…。

大河ロマン的でストーリー自体は面白い。それと、核戦争だかで一度めちゃめちゃになった後の世界という設定らしく、王国や帝国という政体だけれどもロボット工学や一部の科学技術はかなり進んでいるという世界観も独特の雰囲気を醸している。