「クリスタル・コミュニケーション―あなたの神様はいますか」 あかつきゆきや

うーん、アマゾンのレビューは当てにならないな…。超能力者とそれに関わる者の悲劇を描いた話なのだけど、ひねりがなさすぎだし、女の子は性格と話し方に違和感があって可愛げないしで、全く面白くない。なんでこんなひねりのないストーリーで小説になりうるんだろう。
そもそも、最後に起こった出来事があまりに普通だし、彼女がその運命を受け止めなければならないという決意に至るまでの論理にも説得力がない。さらに、それまでの描写において、彼女に対して魅力を感じない、主人公と彼女の関係に感情移入できないとなると、主人公の最後の喪失感を共有するのはとてもじゃないけど無理。
「あなたが水晶色だから」と話しかけてくるんだったら、いっそ、新興宗教の信者の子にしてしまう方がプロット的な面白みは出てきただろうに(未来予知だし「ダレカガナカニイル...」に近くなるか)。じゃなかったら、「イリヤの空、UFOの夏」(感想)くらい徹底的にリリカルに描かないと。