中学生日記 彼女が彼氏になれるまで

夏のある夜、思いがけないUFOの墜落で出会ってしまった宇宙人と地球の少女。人気のない夜のプールに忍び込んでいた少女から、突然、その子の友達の名前で呼ばれた宇宙人は、彼女に言えない秘密を抱えたまま、彼女の友達の少女として地球での暮らしを送り始める。
骨折のため、中学生最後の夏を病院で送るはめになってしまった幼馴染みの少女のために、少年が送ったプレゼントは、学校の友人たちを巻き込んで録音した、そういう内容のラジオドラマだった。小学生の頃、二人で忍び込んだプールでの、人には言いたくない二人だけの秘密。そのときから始まった少年の想いを音だけのドラマで今、彼女に伝える。


中学生日記はときどきすごくいいドラマがあるのだが、昨日の作品は間違いなく今年度最高の内容だったと思う。

幼馴染みの大人しい少年と勝気な少女が、ひと夏の思い出によって、お互いの気持ちに気付き始める…。この手のボーイ・ミーツ・ガール的作品にはよくあるシチュエーションなのだが、中学生日記という直球勝負でやられると逆に裏を勘ぐらなくてよいので、純粋にそのストーリーを楽しむことができた。しかも、今日の主役二人は芝居も悪くなく、短編映画を見てるかのような独特の雰囲気が出ていた。

幼馴染み、大人しい少年、勝気な少女、夏の夜、忍び込んだプール、突然の出会い、人に言えない秘密、そして告白。よくもまぁ、これだけお約束のキーワードを詰め込んだものだと感心するけど、さっき言ったみたいにこれが悪くないんだよね。中学生日記という半ば素人の子役がやっているせいで、過度の瑞々しさのない抑えた雰囲気になっているという点も、かえって引いてしまうことがなくて良いのかも知れない。

このドラマ内で制作されるラジオドラマは、NHK-FMのラジオドラマの雰囲気を匂わしていたけど、久しぶりにラジオドラマの雰囲気を味わって、ラジオドラマいいなぁと感じてしまった。高校生の頃とか、受験勉強しながらNHK-FMのラジオドラマ聴いていたのを思い出してしまったよ。今でも、青春アドベンチャー、FMシアターという番組でラジオドラマをやってるようだ。久しぶりに聴いてみようかな。

以前、「イリヤの空、UFOの夏」(感想)をドラマ化してくれないかなと書いたけど、ラジオドラマってのもいいかもな。やってくんないかな、NHK-FM