Piano&Woman@四谷天窓(2003/7/18)

恒例の四谷天窓「Piano&Woman」に行ってきた。珍しく、今日はアテもなく見に行くのではなく、ちゃんとある人を目当てに行ってきた。いつも、入り口で「今日は誰を見に来ましたか?」って聴かれて、どう答えたものか困ってたんだよね。(^^;;

今日の出演は、はなちん信保陽子葛岡みち、そして鈴木朋。評価は、鈴木朋 >> 葛岡みち > 信保陽子 >> はなちんというところかな。この評価は万人認めるところだろう(たぶん)。


最初のはなちんは、こないだ20歳になったばかりだという、プリントスカートにキャスケットといういかにもな少女キャラの女の子でした。どこか不思議ちゃんっぽい雰囲気。
いきなり最初の曲は見た目とは違って、静かで大人っぽい雰囲気を醸し出してたので、ちょい期待。だけど、次の曲からは、打って変わって元気いっぱいって感じのアップテンポな曲が続く。曲はそんなに悪くはないと思った(でも印象は薄い)けど、声を張り上げると地声の悪い部分が強調されちゃうんだよね、この人。それほど音程外してるってわけでもないんだけど、声(ちょっと低い)がキャラと合ってないというのかなぁ。どうもイマイチ。ただ、最後の曲はささやく感じの歌い方で、これは良かったと思う。声を変えるのってなかなか難しいけど、歌手にとっては一番重要な商売道具だからね。ちゃんと自分の音楽に合わせてトレーニングするなりしてほしいところ。
あ、そうそう、この人のアンケートで、またお金払って見に来たいかって質問があって、最後の選択肢に「武道館までついていく」ってのがあった。やっぱり、目標・武道館っていうのは今も十分目標足りえてるのかなぁ。ちょっとブレークするとすぐに武道館ってやってるし、その価値ってかなりデフレしてる気もするけど。


続いて信保陽子さん。落ち着いた優しい声の持ち主で、ちょっとハスキー入った今井美樹という印象。曲も90年代初期の今井美樹柿原朱美っぽい感じがして、ちょっと懐かしい。歌もうまいし、曲も詞も悪くない。でも、完成されすぎちゃってるような気がするんだよね。聴いたことない他の曲もたぶん想像ついちゃうというか。この人の声の感じからすると、ジャズの方向に行くと、すごく合ってそうなんだけどなぁ。もしかすると、もうレパートリーにはあるのかも知れないけど、そういう感じの歌でまた聴いてみたいな。この人の声にはすごく癒されそうだから。


次は葛岡みちさん。アコーディオン田ノ岡三郎氏と共に登場。いきなり、英語詞の「Once Upon A Summer Time」、仏語詞の「夏の日の歌」(映画「ロシュフォールの恋人」より)。哀しげな1曲目から、華やかな2曲目へのつながりは、聴いてても見てても楽しかったんだけど、いかんせん、発音が…。本人も「なんちゃってフランス語」とは言ってたけど、いい雰囲気を台無しにしちゃうね。でも、その後の自曲とカバーを交えた日本語詞の歌は良かったよ。見た目とは違った(^^;、ちょっと細い感じの声で。それに、茶目っ気たっぷりに、ファンから投稿された夏休みのエピソードを織り込んで歌ったりする場面もあって、子供のファンも(^^)楽しめる内容だった。
ところで、いっしょに演奏してるアコーディオンの田ノ岡氏。アコーディオンと胡弓(二胡)でaco-nicoというユニットをやってるらしい。しかも、その編成でChick Coreaとかやってるらしい。面白そう…。一時期、Return to Foreverとかよく聴いてたんだよねぇ。9/4に下北Queで、このaco-nicoと、葛岡みちもメンバーのヒゲーズ(ルパンでスパイな女性バンド、でもヒゲ付き、みたいな)出演によるイベントがあるそうな。時間があったら行ってみよう。


で、最後が、鈴木朋。今日はこの人を見に行ったのだ。しかも、あれやこれやで1年ぶり。そもそも1年前にポポロクロイス物語RPGクリアしたのが縁だったんだよね。RPG好きにも関わらず、ほとんど途中で投げ出す甲斐性無しな自分なので、それこそ運命的な出会いと言っていいかも (^^)
1年ぶりに見た鈴木朋はなんか印象変わってた。2000年のCD「手のなるほうへ」のジャケ写はともかく、HPの写真とも印象がぜんぜん違うやん。でも、声は相変わらずだったよ。ベイビーボイスというか、高くて澄んだやや硬質な声。
前回もカバーを交えた選曲だったけど、今回も、Aretha Franklinの「Walk on by」とか、「Till there was you」を交えて8曲。今日聞いた印象は「何だか優しくなったなぁ」。彼女の唯一のアルバム「手のなるほうへ」の歌って、どことなく尖った印象だったんだよね。刺々しいとまでは行かなくても、精神的な面でのトゲを感じてた。で、前回、初めてライブで聴いたときの印象もそんな感じだった(そのときの曲が、このCDからだったのもあるけど)。それが、今日の曲は全部、最近の、または昔の曲だそうだけど、すごく詞が優しく感じたんだよね。ボクの幼い恋を語る「ホタル」、天国の彼に対する誓いの「Ghost, Bless You」などなど。亡くなった友達の法事の際のエピソードから作られた(んだと思う)「さえずる手と手」は、精神的な弱さの告白みたいな感じでもあるけど、鳥と同じで鳴いて/泣いていいんだって肯定してて、そこにもある種の優しさを感じた。今日の選曲がたまたまそうだったのかも知れないけど、自分にとってはこの変化はちょっと嬉しかった。
やっぱり、鈴木朋のライブはすごい良かったよ。CDがほとんど出てないのも困りものだけど、この人はやはりライブで見るべきだね。この人の歌を、4アーティストで1000円のイベントで聴けるってのがまたすごすぎる。お買い得すぎ。今度、Star Pine's Cafeでもやるみたいだけど、ここもジョイントなんだよね…。南青山MANDALAあたりで、一人でやってくんないかな…。