「The Last Bus」 arugarei

CD屋で「青山系ポップス*1」という帯の文句に惹かれて買ってみた。ぜんぜん知らない人だったけど、ジャケットもきれいだったし…。最初、arugareiってグループかと思ってたけど、いろいろ調べたら個人の女性だった。arugareiさん、声がすごく整っていて美しいです。最初聞いたとき、NHKみんなのうたででも歌ってそうって思ったくらいの整い方。最近、変に技巧的というか、ひねった声の人を聞くことが多かったから、逆にこういう声にはすごく癒される…。

さて、このCD、古今東西のいろんな曲をアレンジした歌、5曲が収められていて、そういう意味でもみんなのうた的かも。でも逆に、誰にでもすすめられるCDかも知れないね。サティの「ジュ・トゥ・ヴ」をアレンジした1曲目「ある恋の始まり」はシャンプーのCM曲で聞き覚えがあるものだったし、4曲目にはショパンの「別れの曲」のアレンジ曲が入ってる。こっちは「さびしんぼう」だよね、懐かしいなぁ。

そして、衝撃は3曲目に訪れた。「マボベ ソン」。カタカナで見たら、何じゃそれってタイトルだったけど、歌詞カードを見たら韓国語で「魔法の城」…。これはもしかしたら…。

昔、韓国語を勉強し始めた頃、韓国人留学生と日本人とでお互いに言葉を教えあう集まりに参加していた。その集まりでは、歌舞伎町の韓国系飲み屋で朝までカラオケということもしょっちゅうで、おかげでその当時の韓国の歌にはかなり詳しくなれたのだった。で、そのカラオケで、ある日本人女性が好んで歌っていた歌があって、きれいなメロディーのその曲がその女性のイメージと重なって記憶の中にずっと残っていた。タイトルも誰が歌ってるかも分からないまま、ただ「自由に、あの空を、飛んで行っても驚かないで…」という部分だけしか記憶に残っていなかったため、その後、韓国人の友達に聞いても「聴いたことはあるけどタイトルは知らない」という答えばっかり。それが、よりによって、こんなところで出くわすなんて…。

この曲は、キム・クァンジンの「魔法の城」という曲だった。魔法の城に囚われたお姫さまを助けに行く王子に擬して愛を語る内容の、その歌詞もメロディ同様に叙情的で美しい。この曲、韓国のラジオ番組で子供が歌っているバージョンを聞いたことがあったんだけど、上のリンク先も童謡サイトってことだし、元々は童謡だったのかなぁ。疑問は残る…。

それにしても、この曲を選曲したのって誰なんだろう。残りの4曲はみんな日本でも有名な曲ばかりだから選曲されるのも不思議じゃない。でも、「魔法の城」は日本で知ってる人ってほとんどいないよね…。ただ、このarugareiさんが所属するROBOT COMMUNICATIONS INC.では、韓国ポップスのレーベル、nukesってのをやってるようで、CHO PD、パク・チユン、紫雨林Roller Coaster*2などが登録されていた。こういう関係からだろうか…。

【追記】

  • 「魔法の城」って実はスタンダードナンバーだったりするんだね…。Fin.K.L.のソン・ユリもコンサートで歌ったとか。ともかく、「魔法の城」について資料をまとめておこう。 -- 2003/07/17
  • 今、MXTVで放送中という韓国ドラマ「ロマンス」のエンディング曲として、arugareiの「マボベ ソン」が使われているらしい。一度くらい見ておくべきだったか…。 -- 2003/07/17

*1:結局、何が青山系なのかはよく分からない…

*2:紫雨林Roller Coasterはオススメ。オルタナ系ロックっていうか、ジャズっぽい要素とかも取り入れて、かなりカッコいい音楽が聴ける。