D.I. (2002年フランス・パレスチナ、エリア・スレイマン監督)

土曜日、最後に見た映画は、パレスチナ映画「D.I.」。今なお(ついこないだ、リクードの超歴史的なパレスチナ国家設立までのロードマップ承認があったばかりなのに)、血で血を洗う報復合戦が続くイスラエル占領下のパレスチナで作られた映画なのに、コミカルな要素がある作品という前評判にちょっと期待をしてでかけた。

初めて行く渋谷・ユーロスペースはなかなか分かりづらいとこにあったせいで、席に着くと同時に本編の上映が始まった。公開されてしばらく経っているし、土曜の最終の回だからか、客はまばら。

この映画のストーリーは、パレスチナ人のどこか変な日常が繰り返し繰り返し描かれるのが前半。一転して後半は、果物の種で戦車が爆発したり、パレスチナ女忍者の活躍(?)など、大きな動きがある。

ですが、すみません、ぜんぜん分かりません、この映画。はっきり言います。退屈です。寝てしまいそうになります。脈絡ないというか、なんでそうなるの??って突っ込みたくなる展開…。インド映画の唐突なミュージカルシーンの方がまだ納得できる。これって、パレスチナ人の笑いのツボが分かってないから??それとも、このスレイマン監督独特の演出なのかなぁ…

最初のシーンこそ、サンタクロースがパレスチナ人の子供たちに石を投げられて逃げ惑う場面があって、分かりやすい(ブラック)ジョークから始まったのにね。その後はどこで笑っていいのかが分からないのです。パレスチナのことをもっと分かっている人はどっかんどっかん笑えるジョーク満載なのかな。確かにすごく象徴的(なんだろうな)に思えるようなシーンがそこかしこにあったので、その意味が分かっていれば面白い映画なのかも知れないけど。例えば、ここによると、車のナンバープレートが黄色いのがイスラエル登録車で、白いのがパレスチナ登録車らしい。これが分かってるとちょっとは分かりやすくなるだろうか。そういう謎解きをいとわない人なら、幾多の象徴にあふれたこの作品を面白く見れるのかもしれないね。自分は無理ですが。(^^;;