NHK「日本の群像 第4回 極小コンピューター 技術者たちの攻防」

RFIDの国際標準化委員会を舞台に、松下・日立の技術者の苦闘を描いた内容。各国の国益が衝突する国際標準の場では、良い技術だからと言って必ずしも国際標準とはならないことが、80年代のTRONの例を引き合いに出しながら示される。
今回のRFIDの標準化において日本が出遅れたことの原因として、番組内では電波法の問題が言われていたが、そればかりではないだろう。番組内でも日本側規格案の提出の場面が出ていたが、日本勢はやはり、いつも後手後手に回ってしまい、提案を持っていく頃には遅きに失しているような気がする。他国との協調で外堀を埋めるのも重要だが、それ以前に規格化に必要なのはスピード。技術の立ち上がりが見え始める頃には、すべての規格案を提出できるように早め早めに立ち回るべきだと思うのだけど。
企業としては国際標準化の活動を推進しているのだけれども、現場で働いている人の感覚だと、国際標準なんて、自分たちが口を出すのもおこがましい、どこか遠い世界のことのように思ってたりするんだよな。