箴言


(プログラムは)プログラマからハードウェアへのラブレターであり、恋人どうしにしかわからない秘密の内容に満ちていた。こうしてプログラムは、宇宙に自分たちしか存在しないかのような、非現実的な至福の時を過ごしている恋人どうしが交わす短縮言葉やペットの名前で、ごてごてと飾られるようになった。そのようなプログラムをパートナー以外の者が理解できるわけがない。
確かに‥。浮かれた気分で書いたラブレターは、後から読み返すと、恥ずかしいばかりでなく、訳分からんものだ。けれども、自分と相手にしか分からない秘密の言葉というものには、得てして抗いがたい魅力もある。しかもそれがロジックという真理に裏打ちされているものであれば。