「放浪息子」1〜3 志村貴子

にゅーあきばどっとこむの記事で知って買ってみた。でも、個人的にはイマイチでした…。
こういう女装少年ものって、やはりある種のファンタジーを含んでいないといけないと思うんだな。憧れの役者の舞台裏は明かさない、というか…。ところが、この作品の場合は、女の子になりたい男子と男の子になりたい女子の、マジな日常が淡々と描かれていくわけで、そこには読み手自身が夢見る余地が残されていない感じがする。かと言って、セクシャリティに悩む思春期の少年少女のリアルな描写になっているかというと、あまりに淡々としすぎていて、その深刻さが伝わってこない。そんな、どっちつかずな印象を受ける。
それに、バレちゃいけないハラハラドキドキ感がこの手の話の勘所だと思うんだけど、この作品の場合、さっさとバレてしまってるからねぇ、家族にも友達にも…。それに、姉の友人とデートしても自分からバラしちゃうし…。真面目すぎだよ、シュウちゃん。そうなってくると、一体、何を楽しむマンガなのか分からなくなってきます。
そのほか、マンガの技術的な面でも、登場人物の見分けがつきにくいとか(作者自身も認めてるけど)、時間の飛び方に面食らうとか、描写があっさりしすぎとか、どうも、自分には性に合わない作品でした…。