「美術館の隣の動物園」 1998年、韓国

あらすじ:結婚式の撮影中にふと出逢った男性に片思いしているビデオカメラマンのチュニ(沈銀河)と、軍隊に行っている間にフラれてしまったチョルス(李誠宰)はひょんなことからチョルスの元カノの部屋で同居することになった。そして、彼の10日間の休暇中、チュニがシナリオコンテストに応募するラブストーリーを二人して書くことになる。二人の恋愛観の違いに反発したり、逆に惹かれあったりしながら、シナリオが完成する頃に、二人の間の関係も…。


かなり有名な映画だったけど日本で公開された時には見ていなかったし、レンタルビデオもだいぶ前から出ていたけど、なんとなく食指が伸びずに今まで一度も見ていなかった。39円DVDレンタルになってようやく借りる気がおきた。
以前、「8月のクリスマス」を映画館で見たんだけど、その映画での沈銀河の雰囲気がなんだかピンと来なかったんだよね。まぁ、きれいなんだけど、古めかしい美人って感じで。日本で言うと、鈴木京香的な印象。で、そんな沈銀河が出てるのだったら…という連想で、あんまり見る気にもならなかったというのが実際のところ。それにストーリーも小洒落た恋愛映画っぽさがタイトルからもプンプンしてたし……。でも、それは完全な偏見だった。この映画での沈銀河は可愛いし、ストーリーもただ小洒落た恋愛映画ってわけじゃなかった。
沈銀河演じるチュニは化粧っ気も何にもないズボラな女性だけど、片思いの男性をモデルにシナリオを書こうとする純情少女って感じの役回り。派手さがない沈銀河だからこそ、そういう女性の役にもぴったし合ってるような気がする。それと、気が弱そうでいて、時折見せる気の強さも魅力的。何より、韓国語の口調が可愛らしいんだよね。前の彼女が同じような口調で話してたのを思い出してしまった…。雰囲気似てたんだよなー。
それと、二人が書いているシナリオが時折、劇中劇として挿入されるんだけど、その部分の映像はメルヘンチックな雰囲気を出してて、リアルな部分とのギャップもどことなくコミカルな印象を与えてる。映画自体な雰囲気は98年の作品にしてはちょっと古臭く感じるけど、劇中劇部分のそういう雰囲気の効果もあって、全体的に寓話的というか、「原作って少女漫画?」とでも思えそうな感じを受けた。
あと、どうでもいいことだけど、この作品の沈銀河は遊佐未森に見えてしまう。それと、チュニの片思いの相手、安聖基が、俳優の斉藤洋介に見えて仕方がなかった。遊佐未森斉藤洋介のラブストーリー………シュールだ。

http://www.seochon.net/korean_movie/movie/bijyutukanyoko.htm