「少年少女」1〜2 福島聡

少年、少女を主人公とした短編、それぞれ7話ずつを収めた短編集。
ほんわかした話、SFっぽい話から、ホラーまでいろんな話が詰まっている。決して、派手な絵でもないし、めちゃめちゃ面白いストーリーでもないんだけど、読んだ後、何かが残る、そういう話が多かった。一つ一つが短編ドラマとしてそのまま成立しそうな感じ。
特に、幼なじみの少年を誤って殺してしまった少女とその少年の弟の初恋を描いた「触発」「錯綜」「微睡」の3話と、死を感じるために土葬されてみる看護婦を描いた「土に還る花」は印象的だった。
人間が描かれていないってのは、最近のミステリに与えられることの多い批判(いっそ賛辞?)だけど、このマンガでは確実に、生きている少年少女が描かれているね。絵の雰囲気からもかなり老成した人を想像してしまったけど、調べてみたら69年生まれの33歳と知って、ちょっと納得。