ノスタルジアからの再生〜arugareiのConnectDアニメ

arugareiのデビューCD「THE LAST BUS」(感想)は、ConnecteDという新しいタイプのCDらしい。要するに、このCDをPCのCDROMドライブに入れているときだけ、特別のウェブサイトにアクセスできるとのこと。arugareiのCDの場合、彼女のサイトで公開されている短編アニメーションの最終話を見ることができるようになる。
2話まではCDにおまけで付いてきたDVDで、3話だけをサイトのShockwaveムービーで見た。1話4分あまりの短編アニメで、切り紙影絵がそのままカラーのアニメになったみたいに、少し変わった動きが特徴的なアニメーションだった。テーマは主人公が自分の過去の記憶と対話するというもの。忘れてしまった過去の記憶との出会い、対峙、そして決別。BGMにはこのCDにも収録されている「Good-bye, so long」(ショパン、別れの曲のアレンジ版)が繰り返し流れる。
見ていて、これは「さびしんぼう」じゃないかと思った。過去の記憶=ノスタルジアに包まれる心地よさ。でも、ノスタルジアは永遠に停止した遠い思い出。そこに耽ることは、いずれ破滅=死に繋がっていく。過去の記憶とはいつか決別しなければならない。そして、そこから新しい記憶の創造に向かって自身を再生していかなければならない。同じ別れの曲をベースにした歌をテーマとして綴られた物語がこうもテーマを同じくしているのは、偶然なのか、意図したものなのか…。
THE LAST BUS」が過去の名曲をアレンジし、新しく再生させたものであること、単に過去の名曲を懐かしむだけでなく、そこから新しい何かが生まれてきていることを象徴させたかったんだろうね。