Piano&Woman@四谷天窓

昨日、夕方から、四谷天窓でのライブ「Piano&Woman」に出かけた。今週末、金・土と二日ともこのタイトルでのライブがあるんだけど、土曜日の出演者はあんまり面白くなさそう(中の2人くらいは前に見たことがある)なので、知らない出演者ばっかりの金曜の方で行くことにした。四谷まで出かけるのも大変なんだよね、交通費も結構かかるし。

19時スタートで、15分くらい前に着いたけど、今日は結構混んでるみたい。うーん、また一部の人に人気がありそうな人でも出るのかな。今日の出演者は、きたはらいく已里古(いりこ)、tantan岡さやか中村友美。知らない人ばっかり…
今日の評価は、きたはらいく≒tantan>岡さやか已里古>中村友美ってとこかな。一応、順番は付けたけど、今日は全体的に評価は低い。悪くはないんだけど、これはって人がいないんだな、これが。ちょっとピントがずれてたり、技術が伴わないって感じで…

最初のきたはらいくはギターと一緒にピアノ弾き語り。山崎まさよしっぽい発声でかなりいい感じではあるけど、最初のオリジナル2曲は詞が日常的すぎてイマイチ。日常を歌うなとは言わないんだけど、日常生活を歌っても日常の卑近さというか日常性を感じさせない言葉の使い方をしてほしいんだよね。日記を読んでるんじゃなくて、詩を歌ってるんだから。その後、昨日、トップランナーでも出てたという誰かの「心」という曲をカバー(これって沢知恵も歌ってたよね)。これはほんと良かった、声の雰囲気にも合ってるし。こういう雰囲気の曲を作るようになると、申し分ないと思うんだよね、この人は。最後の「ギターを弾いて」という曲は、そのきっかけになりそうって感じかな。今日のオリジナル曲の中では一番良かった。

【追記】

  • 誰かというのはアン・サリーという人だった。沢知恵と同じ(境遇はちょっと違うか)在日だそうだ(ここより)。ってことは「こころ」のオリジナルは沢知恵でいいのかな。

次は、已里古(いりこ)。ステージの入れ替えで、急にバイオリンだの、チェロだのが出てきて、狭いステージが一層狭くなっていく。已里古というボーカルに、サポートでバイオリン、チェロ、パーカッションが加わって、最近はユニット的に活動してるらしい。面白い編成だね、ちょっと期待してみる。最初の「闇時雨」って曲は、詞もちょっと幻想的な感じだし、ボーカルのクラシック的発声や楽器編成にも合ってて、まあまあ良かった。幻想的な雰囲気のアニメの主題歌っていう感じ。だけど、その後は良くなかった…。「頑張れ」「人間なんて」「恋人候補」「お母さんへ」…曲名だけ見て、内容が分かってしまうような感じでしょ??さっきのきたはらいくもそうだったけど、どうしてこうも普通の日常を普通に歌ってしまうんだろう…。しかも、この人の場合、詞の雰囲気と声や編成から受ける印象とが、ものすごく乖離してる。そういうギャップはいい方向に働けばすごく効果的だけど、こっちはほとんど殺しあってるようなもの。NHKみんなのうた」で説教くさい歌をオーケストラアレンジで聴いてるような感じだった…。この人、karakとかzabadak系な歌を歌うんだったら、ばっちり合ってるし、今日の中ではぴか一に良かったんだけどなぁ。

続いて、tantan。中性的な雰囲気の人。声はちょっとハスキー入ってて、高くなるとときどき声が出てなかった。この人もよくある日常の恋愛模様みたいなのを歌ってるんだけど、詞は悪くなかったよ。「真冬の花火」とか、その次のタイトルは分からないけど、「夜空に翼広げ〜」って詞の歌とか、情景をイメージさせる映像的な歌詞で。曲も悪くない。でも、悪くない、悪くないって感じで、どうも惹かれない…。この人、前はバイオリンを入れた編成で歌ってたこともあるんだって。そっちの方が見てみたいな。それと、途中、ちょっと時間があるからって、お客の一人にちょろっとメロディの断片を弾いてもらって、それを膨らませるという即興演奏をしてくれた。ピアノの技術はすごかったよ(ピアノを弾けない人なのでどれくらいすごいか分からないけど)。

【追記】

  • この人のHPによると、経歴は結構すごい人なんだね…。「マフユノハナビ」も石嶺聡子に提供した曲だったという…。石嶺聡子のCD持ってるはずなのに、気が付かなかったとは…。ごめんなさい。

次の岡さやかという人は、スピリチュアル系というか、ウィンドトーカー系というか、ファルセット基調で、ヒーリングミュージックを歌うようなな人だった。オリジナルの他に、民謡(こきりこ節、月ぬかいしゃ)も歌ったりして、方向性は面白いと思う。ただ、声がいまいち澄んでいないのと、声に安定感がないが惜しいかなぁ。それと民謡やるんだったら、三味線や三線を交えた編成にしてみるってのも面白いと思うんだけどなぁ。後半、アメリカ先住民の楽器、インディアンフルートの男性も加わって、ヒーリング度は一層アップ。木管楽器の柔らかい音がこの人の雰囲気にはすごくマッチしてるね。「水の音」というオリジナル曲がこの人では一番良かったよ。

最後が中村友美。まだ20歳そこそこって感じの若い、幼い印象の人。歌はよくも悪くもaiko的。この人も難点は詞なんだよね…それと、体の割に声が低いためか、声を張るところで震えたり、裏返ったりすることが多かったのは残念。うーん、まだまだって感じかな。

あ、そうそう。音楽とは関係ないんだけど、こんなインディーズの(おそらく)かなりマイナーな歌い手ばっかりであっても、カメラ小僧みたいな人が来てるのには閉口しちゃう。2メートルの至近距離で望遠レンズ使って撮んなくたっていいでしょうに。しかも、歌聴きにきてるのか、写真撮りにきてるのか分かんないくらいに、始終、ぱしゃぱしゃ撮ってる…。スーツ着た社会人なんだから、もう少し、周りの人のことも考えて欲しいなぁ。